珍品堂アナログ店

■現代用語の基礎誤解■      

 最近、誰かが意図的に流したのか、自然発生的に出てきたのか「イヤシ」という言葉が、ある種のキーワードになっているみたい。ま、キーワードといえば聞こえはいいが、ソコはそれ、貧困なる精神が充満しまくっている我が国のこと。一般化した分だけ本来的な意味は希薄になり、流行語化しちゃているのではないだろうか。
 最初にこの言葉を、とんでもないヤツの口から聞いたとき、イヤシを「癒し」ではなく「卑し」だと思ってしまった。でも、話をしているうちに「癒し」なのだとわかり、こりゃビックリ。私の知る限り、「癒し」とはそもそもキリスト教的な概念で、癒す方も癒される方も、それなりの意識があってこそ成り立つもののはず。人間精神の根元に関する的確な探求や知識がなければ、使いこなせない言葉のはず。
 イヤシという単語には高尚な臭気がある。だからエセっぽい連中が好んで使うのだろう。多分、トレンド追従型の広告代理店などではイヤシが飛び交っているに違いない。とはいえ、たかが言葉、誰がどう使おうと構わない。個人的にオゾケが走るだけだ。
 言葉を軽薄化するのは好きではない。軽薄化によって意味が違ってきてしまうから。現に、今使われている「イヤシ」とは、精神的な空白や矛盾を物質的な要素で埋めたり解消することらしい。精神世界の言葉が、見事な経済性を持ってしまった。商業主義を通り越した罪悪だと考える。
 過度なストレスでイライラする……どうも神経がカサカサになっている……何をやっても充足しない……、ごもっともさま。でも、だから「イヤシ」ではないのだ。一番簡単な解決は、神経内科に行って「最近よく眠れないんです」って言って、セルシン(セレナミン、ジアゼパムも同じ薬)の2mgももらえば、すべては解決する。本当に癒しを必要としている人は、自ら癒しを望まない。いや、望む余裕すらない。それがわからずに「イヤシ」を口にするのは、まさに馬鹿。
 言葉は正しく使いましょう、なんて言う気は全然ないんだぜぇ。でも、世の風潮に乗せられて、誤解に気付かずにヘンな単語を連発するのは愚の愚ってもんだ。誤解されたまま定着してしまった言葉に「ちなみに」がある。コンピュータ関係のライターが多用するから、皆様お馴染みだろう。これは、漢字で書けば「因みに」になる。つまり因果関係を表わす。ところが雑誌などでは「しかし」でも「さらに」でも「そして」でもないときに、万能の接続詞として使われる。読む方も違和感をもたない。最悪。
 言葉が、価値が、意味性が、どんどん希薄になる。これでいいのだろうか? 不幸にして生き続けている私は、とても大きな危機感を、心底から抱いてしまう。まさに恐怖。こんな心理は絶対に癒されない。癒されたくもない。本来「癒し」は与えられるものではなく、自ら得るものなのだから。

 ちょいとシリアスに書いてみました。珍品堂&懐古軒がいない留守には、店主代理が少しはグチってもいいでしょう。さて、いやが上にもリアルな現実に立ち戻って、ここはオンライン・ショップの「珍品堂」です。店の趣旨と(まったくもって遠大な)最終計画は第2号で書きましたのでご参照下さい。要するにこのページはHandmade Projectで製作したマシンのキット類の販売をご案内しています(本当に売っています)。よろしければご利用下さい。

−−商品ラインナップ−−

 今月の商品は「D-FUZ」「SOUND BOX OSC」「SOUND BOX NOISE」「GE FUZZ」「ファンタム付マイクヘッドアンプ」です。

 各商品には原則として以下の5種類のバリエーションを設けます。

1:エッチング・穴あけ済基板……
  基板だけです。手持ちパーツがある人、電気街に行ける人、
  あるいはエッチング・穴あけに自信のない人はご利用下さい。

2:1の基板+基板上パーツのセット……
  基板と抵抗・コンデンサ・半導体、つまり基板ユニットを作るためのセットです。
  秋月「キット」と同じとお考え下さい。
  VRやスイッチ類を持っていて、とりあえずどんな音か知りたい人、
  複合エフェクタに組み込む人には最適です。

3:完成基板ユニット……
  基板上パーツを全部ハンダ付けし、動作確認済みのユニットです。
  完動保証ですから、作りたいけど自信のない人、時間のない人はどうぞ。
  調整箇所があるマシンでは、もちろん完全調整を行なっています。

4:基板関係以外の全パーツセット……
  VR、ツマミ、スイッチ類、ジャック、DCジャック、ケース等、基板関係以外
  の全パーツのセットです。配線材は含まれません。

5:完動保証の完成品……
  すぐに使える完成品です。製作記事と違うのは、パネルに文字が入っていないことだけ。
  ユーザーの好みで入れて下さい。もちろん外部電源対応です。
  本音のところでは、こちらとしても、手間がかかって作りたくないのですが、
  「今は作れないけど、すぐに使いたい」人も多いため、商品化しました。
  ですから、完成品の販売は、あくまでも「キット販売の延長」です。
  6ヶ月の補償を付けますが、ツマミが取れた、ネジがゆるんだ等の簡単な故障は
  ご自身で直していただきます。
  (乱暴な扱いや不適切な電圧を加えた等で壊れた場合、
  不合理な改造による故障の場合には、有償修理または修理自体をお断りすることもあります)

 以上の中から、ご自分の製作テクニックや目的に合った製品を選んで下さい。

 
−−カタログ&価格表−−

 価格はすべて送料込みです。消費税はいただきません。1と2では「2個以上割引」を行ないます。これは主に送料の関係です。

■D−FUZ
D-FUZの写真
'70年代のファズ・サウンドを再現。
それだけじゃつまらないので
よりヘンな音も出せるマシン。
くわしくは第1号参照。
D-FUZの完成基板写真
  D−FUZの完成基板。
  パーツ数は多いですが
  調整箇所はありません。
 
 
1:基板のみ……1100円
  (2枚以上同時にご注文の場合は@1000円)
2:基板+基板上パーツのセット……2500円
  (2セット以上同時にご注文の場合は@2300円)
3:完成基板ユニット……4500円
4:基板関係以外の全パーツ……3500円
5:完成品……10000円

  4と5には「電池ボックス」は付きません。
  4で電池ボックスをご希望の場合は+300円。
  5では+1500円になります。
 

■SOUND BOX OSC
SOUND BOX OSCの写真
第2号のHandmade Projectで
作った純粋アナログ音源。
三角波とデューティ可変矩形波
を合成して、アナログシンセ
の太い音を得ます。
OSCの完成基板写真
  SOUND BOX OSCの完成基板。
  第3号で書いた回路定数変更で
  発振周波数の変更も可能です。
 
 
1:基板のみ……1000円
  (2枚以上同時にご注文の場合は@900円)
2:基板+基板上パーツのセット……1800円
  (2セット以上同時にご注文の場合は@1600円)
3:完成基板ユニット……3500円
4:基板関係以外の全パーツ……3000円
5:完成品……9500円

  完成品(完全調整済)が割高なのは製作時間が長いためです。  
 
 

■SOUND BOX NOISE
SOUND BOX NOISEの写真
第3号のHandmade Projectで作っ
た楽器としてのノイズ音源。
ホワイトとピンクを発生し、
直接出力も可能。フィルタ・オンで、
レゾナンス風音色も出せます。
NOISEの完成基板写真
  SOUND BOX NOISEの完成基板。
  調整箇所はありませんが
  ノイズ発生トランジスタの個性で
  微妙に違った音色になります。
 
 
 
1:基板のみ……1000円
  (2枚以上同時にご注文の場合は@900円)
2:基板+基板上パーツのセット……1800円
  (2セット以上同時にご注文の場合は@1600円)
3:完成基板ユニット……3500円
4:基板関係以外の全パーツ……2800円
5:完成品……8800円

  3および5ではトランジスタをシビアに選別しています。  
 
 

■GE FUZZ
GE FUZZの写真
前回のHandmade Projectで作った
全段ゲルマニューム・トランジスタ
のファズ。エフェクタ誕生期、
60年代サウンドをそのまま再現。
自作するしかないマシンです。
GE FUZZ完成基板写真
  GE FUZZの完成基板。
  電池まで乗せた実にシンプルな基板。
  ただし電池は付きません。
 
 
1:基板のみ……900円
  (2枚以上同時にご注文の場合は@850円)
2:基板+基板上パーツのセット……1500円
  (2セット以上同時ご注文の場合@1400円)
3:完成基板ユニット……2500円
4:基板関係以外の全パーツ……扱いません
5:完成品……7000円

  このマシンは外部電源に対応していません。
  4が無いのは、2と5の注文が多いと予想されるからです。
  ほとぼりがさめたら扱います。ごめんなさい。
  でも「どうしても」という方はご相談ください。
 
 

■ファンタム電源内蔵 MIC HEAD AMP
MIC HEAD AMPの写真
今回のHandmade Projectで作った
電池駆動のファンタム付き、
ゲイン3段切り替えのマイクヘッドアンプ。
DATなどの生録で、
マジなコンデンサマイクが使用可能。
スタジオやPAにも便利な機材です。
MIC HEAD AMPの完成基板写真
  MIC HEAD AMPの完成基板。
  基板自体は難しくはなく、
  調整箇所もありません。
 
 
1:基板のみ……1100円
  (2枚以上同時にご注文の場合は@1000円)
2:基板+基板上パーツのセット……1800円
  (2セット以上同時ご注文の場合@1700円)
3:完成基板ユニット……3000円
4:基板関係以外の全パーツ……扱いません
5:完成品……原則として扱いません

  4が無いのはキャノンという高価パーツがあるからです。
  5はオーダーメイドで対応いたします。
  詳しくは下をご覧ください。
 
 

●MIC HEAD AMP オーダーメイドのお知らせ

 今回のMIC HEAD AMPを、あなたの求める仕様で作ります。ケースの変更、ステレオ仕様、電源仕様など、リクエストに沿って(難しい仕様は相談しながら)製作・供給します。価格は仕様によって大幅に異なりますが、たとえば製作記事の通りなら15000円程度とお考え下さい。詳しくはメイルにてお問い合わせ下さい。納期は1ヶ月前後の予定です。このオーダーメイドはいつまで続けられるかわかりません。このページに案内が載らなくなった時点で終了です。

●バックナンバー フロッピ頒布のお知らせ

 目次のページでも書いたように、本誌第0号〜第4号までの全ファイルをフロッピ(2HD 1.44MB)で頒布します。ダウンロードが面倒な人、第0号(出版予告のみ)と第1号を、今すぐ読みたい方はお申し込みください。フロッピ5枚セットで2000円(送料込み)です。ファイルは非圧縮ですので、HDDにコピーすれば高速で読み出せます。


■納期の約束

 ご注文と入金を確認してから5日以内の発送が原則です。
 パーツの在庫切れや製作が追いつかずに、5日以内に発送できない場合は、
 領収書を兼ねた予定納期をお知らせするハガキを送ります。
 また、あまりに納期がかかりそうなときには、このページを随時書き換えてお知らせします。

■ご注文と送金方法

 送金は全面的に郵便局経由(以下に述べる方法)でお願いします。

★推奨する注文・送金法

 ●定額小為替での送金(もっとも経済的な方法)
 郵便局で「定額小為替」を購入し、注文内容を書いたメモといっしょに送って下さい。送金手数料は、小為替の手数料(すごく安い)と普通郵便代の80円で済みます。
 このとき、受取人の欄は必ず空白にしておいて下さい。万一、郵便が迷子になり小為替が紛失しても、郵政省が追跡して見つけてくれます。ですから普通郵便で充分。書留にする必要はありません。
   送り先は、
     [〒175 東京都板橋区徳丸3-15-13-505 大塚明] です。
 メモには、あなたの住所、電話番号、名前、あればE-mailアドレスかNiftyのIDも書いて下さい。電子メイルはセキュリティが怪しいので非常時の連絡用です。書かなくても結構です。

 ●郵便局の電信送金(もっとも早くて、かなり安い方法)
 郵便局のATM機から、金額にかかわらず130円の手数料で、リアルタイムの電信で送れます。ATMが動いている限り、日曜祝日でも送金できます。
 ただし、この方法を使うには、あなたの郵便貯金通帳(とカード)が新しいタイプ(通称「ぱるる通帳」)でなければなりません。古い通帳と印鑑を郵便局に持っていけば、その場で新しい通帳&カードに取り替えてもらえます。新規の場合は身分証明書と印鑑だけで通帳は作れます。
 新しい通帳にした直後はカードは使えませんが、窓口で電信送金ができます。手数料が140円になるだけです。
 送金後、私宛にハガキまたはE-mailで注文内容、住所、氏名、電話番号、送金金額と、「郵便電信で送った」こと、E-mailアドレスかNiftyのIDをお知らせ下さい(宛先は前項の住所)。できればハガキが良いかと思います。(まったくE-mailを信じていない私)
   郵便電信送金の送り先口座は、
     [記号]10060 [番号]61469161 asl代表 大塚明 です。
 銀行振り込みを使いたくない理由、ぱるる通帳があまり知られていない理由などは以前書きましたのでご一読下さい。

■商品についての責任など

 完成品と完動保証ユニット以外の商品については、キットという性格上、組立後の完動は保証しかねます。1箇所でも間違えて作れば正常に動かないからです。間違えている箇所を発見するのは大変な労力ですので、有償・無償にかかわらず、トラブルシュートはいたしかねます。(本当は、してあげたいんだけど、時間がない)
 キットに含まれるパーツは、すべて信頼できるメーカーの新品です。不良品が混入する確率は限りなくゼロに近いため、パーツ不良が原因の不完動は、まずあり得ません。しかし仮りに不良パーツが入っていた場合には、同等のパーツを、こちらの送料負担でお送りします。それ以上の責任はご容赦下さい。組立作業中のパーツ破壊(熱のかけすぎ等)はお客様の責任になります。
 なんか、皆さんを不安にするようなことばかり書きましたが、実際にはトラブルは生じないと思っています。もし何かあっても、誠実に対応いたしますのでご安心下さい。
 Handmade Projectとも関連することですが、「質問」はマシンの正規の作り方・使い方に関するものだけに限らせて下さい。改造についてや、一般電気知識知識に関するものにはお答えできないことがあります。

 ……以上、お約束です。aslおよび珍品堂の電話番号は、03-3550-6901です。いたずら電話は無いと信じています。ただ、非常に多忙なため、本当に困った緊急時や、送金したのに返事がない等の場合にだけ連絡して下さい。通常の連絡はハガキかE-mailasl@po.teleway.ne.jpでお願いします。

                                   珍品堂主人代理 敬白  

 

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