■商標問題について■


 予想を上回る多数の方々から掲示板・メールでアンケートにレスしていただき、まずお礼を申し上げます。ご意見の内容がどうであれ、多様な価値観に触れることができ、私のみならずメンバー一同、現状においての方向性を持てました。また、ご自分のことのように感じてくださっている方々も多くいらっしゃると知り、とても心を強くしております。
 去る2月21日、池部楽器店様と話し合いを持ちました。その報告を中心に書きます。
 最初にお断りしておきたいのは、池部さんも私たちも、ともに「困った状況」と認識していることです。また、双方とも司法による解決を好ましいこととは考えておりませんし、対決による解決よりも対話による解決を望んでいることを明記いたします。

1−1.Noha's Arkという名称の由来
 ご参考までに、私が自分のグループ名・機材ブランドにNpah's Arkを名乗っている理由を書かせてください。
 今から約38年前、私が高校1年のときに演劇部の連中から芝居のSE制作を頼まれました。当時、テープレコーダを2台持っているのが私だけだったからでしょう。気楽に引き受けたものの、作業してみるととても奥が深く、手持ちの自作機材類では限界があるとすぐにわかりました(頼まれたのは「水中で革命を聴く音」など……)。そこで、10ミリベニア板の上に様々な回路ユニットを、半分バラック状態で組み、必要に応じて定数を変えられるようにしました。もちろん全部真空管回路です<これが現在の「ヘンな音指向の原点でしょう>。
 おかげさまでSEの評判は良く、他校からも依頼されるようになり、高校卒業時にはバラックは長屋程度まで発展していました。載せていた回路は、プリアンプ(マイク入力可。オーバーゲイン可)が4ch、トーンコントロール・EQとして英国型、BAX型、CR型が各2回路、フィルタはfとQ可変で発振まで持って行けるゲイン可変が2回路、6in-6outマトリクスミキサ(ゲイン可変)、スプリングリバーブが2種類、コンプレッサ・エキスパンダ・ゲートに相当する回路が2組、それに電源です(書き忘れもあるかも)。すべてのユニットの入出力は110プラグで、必要なものだけパッチして使いました。構造は、ベニアの上にLアングルを立て、アングル上に球を寝かせて取り付けていましたから、CRの変更も簡単にできました。サイズは、最終的には60センチ角くらいになり、持ち運び用の取っ手も付け、自宅で使うだけでなく、制作現場にも持ち込んでいました。定数変更のための各種CR、半田ごても機材の一部でした。
 どこで聞きつけたのか、某放送局から最初に依頼を受けたのもこの頃です。「人間の声とわかるが、人間には出せない断末魔の音」という、挑戦心をくすぐるリクエストでした。その後、プロ仕事も相当数こなしましたが、私にとって報酬があろうと無かろうと問題ではありません(これは今もそう?困ったもんです)。面白いからやっていました。

 Noah's Arkの名前は、この頃に付きました。「四角い板の上に全部載ってる」から、が理由です。自分で書くのは恥ずかしいのですけど、この時点で、ごく狭いSEの世界では、ある程度知られた存在だったと思います。絵描きの友人が、板の空いている部分にNoah's Arkと書いてくれました。これが最初の機材(メーカー?)名表示です。
 その後、日芸に進むと、主に映画学科の連中から音効担当の依頼を受け続けました。私は文芸学科でしたが……。隣にある武蔵大学の映画研究会からも依頼があり、それらすべての作業は日芸映画学科のサウンドステージを中心に行ないました。総数で何本の映画に音付けしたかわかりません。多分100本は超えていると思います。演劇学科からの依頼もありましたが、映画に比べて拘束時間が長く、勉学に差し支えるため(事実です、スト中でも勉強しましたよ)、数回お付き合いさせてもらっただけです。プロ仕事として、CMの効果音作りに参加していたのもこの頃です。
 日芸卒業時、この機材は映画学科に置いてきました。後輩の何人かが使えるようになっていたからです。また、私の専攻は現代アメリカ文学であり、副専攻は小説創作であったためでもあります。私はモノカキになりたかった。SEや音作りは楽しい趣味であり、これで食うことなど頭の片隅にもありませんでした。

 その後、自作機材で気に入ったものには、ノスタルジックな意味も込めて「Noah's Ark」と書き込んでいます。さらに1970年代後半に小沢氏と出会い、共同作業(機器製作、共同執筆など)の際にもこの名称を使うようになり、グループ名というかブランドというか、そのようなものになった次第です。
 80年代には、身の程知らずにも小沢氏他とメーカーを目指した時期もあります。株式会社を興し、Noah's ArkとNAPPのブランドでエフェクタ類を店頭販売しました。池部さんにも売り込み営業に行っております。しかし、実際にやってみると、時間ばかりかかって、それほど面白くないことがわかり、儲けは出ていましたが数年でメーカー廃業となりました(業務機器分野では継続しています)。

1−2.Noah's Arkという名称の表出度
 私と小沢氏は、皆様ご存知のように製作記事・解説記事ライターでもあります。主にリットーミュージックの雑誌に執筆しておりました。時代としてはギターマガジンの創刊から、同誌とキーボードマガジンに製作記事を連載していました。サウンド&レコーディングマガジンも創刊から約10年、毎月記事を発表していました。そのすべてに「Noah's Ark」がクレジットされているわけではありませんが、たとえばハンドメイドプロジェクトでは、ギターマガジン本誌からの再録分のいくつかにNoah's Arkの名前が入っております(同じ版を使用したため)。
 NHK出版の雑誌・書籍にも、私たちの肩書きとして「ノアズアーク」の表示があります。つまり、二人で共同して行なった仕事には、ほぼ全部クレジットされており、私一人の仕事では、機材自体にロゴのように入っているだけの場合もありますし、著者名とともに表示されていることもありました。今考えれば、まさにいい加減ですけれど、私たちの目的はブランド名を売り込むことではなく、良質の記事を書くことでしたので、これはお許しいただきたいところです(実際、当時はブランドなど、出しても出さなくてもよかったのです)。
 ここ10年ほど、私自身は紙媒体に記事を書いていません。ですから、現在10歳台、20歳台前半の方々には知名度が低いと思われます。30歳代以上で、機材のハード面に興味のある方々には、かなり知られているはずです。また、私たちが設計した回路には、一種の古典・定番になっているものもあるようで、海外サイトの回路図集の中にはNoah's Arkのコピーライト表示があるものも見受けます(私の個人名のコピーライト表示もあります)。インターネットの検索エンジンでも、私たちのNoah's Arkは出てくるそうです(現在、美津濃、池部さんのものは出てこないようです)。

 以上が私たちのNoah's Arkについての概略です。約40年弱の歴史の中で、ほんの数年だけ店舗販売していた時期はありますが、あくまで自分たちの設計・製作物の商品化であり、終始一貫したブランドの使われ方は「技術集団の名称」としてです。そして、結果として、多くの方々に「Noah's Arkの設計ならコピーしてみよう」という信頼感をもっていただけるまでになったと自負いたします。

2−1.寓話的事情説明
 先程から2時間以上、どうやって経緯の説明をしようかと迷っています。どのように書いても、読みようによっては批判がましくなる可能性があります。批判は批判で別項にまとめるつもりですので、ここではひとつの寓話として事情の概略を書かせていただきます。(ひみキンの皆様、ご了承いただき、ありがとう)

 大阪に「ひみつキング」という超絶テクニックのバンドがあります。10年以上の活動歴をもち、マイナーレーベルからですがレコード・CDも出し、今でもライヴを月に1〜2回こなしています。彼らの新譜はタワーレコードで必ず完売します。ただ、そのサウンドはハヤリものからは程遠く、女子高校生が争って買う種類ではありません。あくまでも大阪アンダーグラウンドを中心に、日本中のコアなファン層に絶大な人気があるだけです。また海外、特に南米でもかなりの人気があります。とはいえバンドですから、「ひみつキング」という名称を商標登録などしていません。(ここまでは完全な事実です。以後、フィクションになります)

 ある日、バンドのメンバーがAmazonでCDを探していて、とんでもないものを発見しました。「ひみ・ツキング」なるバンドのCDです。レーベルはBvexという大手。唖然として数日が過ぎるうちに、親しいファンたちからもメールが来始めました。中には間違えて買ってしまった人もいて、”これは聴くに耐えない”とばかりCDを送ってきました。
 試しに聴いてみると、これが典型的なJ-pop。メロはどこかからのパクりで、演奏・録音・マスタリングは流れ作業。まあ音楽ですから、リスナーによっては「素晴らしい」と思うかもしれません。しかし自分たちの音とは根本から違うことだけはたしかです。ひみつキングのメンバーは焦りました。これ以上誤解が広がるのを防ぐため、自分たちのサイトに、Bvexレーベルの「ひみ・ツキング」というバンドは我々とは一切関係ないこと、あれはニセモノであることなど、ファンに訴える文章を載せました。
 文章を載せて半年ほど経ったとき、Bvexからメールが来ました。曰く、「ひみつキング」という名称はBvexが11年前から商標登録している。ニセモノではないのでHP上の該当文章の削除を求める。ただし、現状では司法に訴える意思は無い。

 自分たちのバンド名が商標登録されていた。どういうこっちゃ、と思いながら特許庁のページで検索してみると、「ひみつキング」として、たしかにありました(登録は「ひみつキング」で、バンド名は「ひみ・ツキング」であることに注意)。ただちょっとトリッキーです。
 11年前に登録したのはBvexではなく森氷製菓。商標登録の有効期間は10年ですから、昨年、森氷製菓の権利が失われたのを機に、更新とか譲渡の形でBvexが引き継いだことになり、Bvexの権利保有期間はまだ1年と少しです。この事実を、どう解釈すればいいのでしょうか。Bvexは関西に「ひみつキング」というバンドがあることをまったく知らなかった、と言っています。まあ、バンドはゴマンとありますから、レーベルが知らなくても仕方ないのかもしれません。しかしタワーレコードでの販売実績もありますし、東京でのライヴも10回以上やっています。それに、検索エンジンで調べれば、トップではないにせよ自分たちのサイトは出てきます。故意のパクリか、それともBvexの言っていることが正しいのかわからないまま、とりあえず法的にはBvexに権利がありますので、ページから「ニセモノ」表現は削除し、代わりに、11年間、商標権を侵害したことに対する謝罪を載せました。ここで11年としたのは、法律の読み方によっては、商標を譲渡された人は、それが最初に登録された日まで遡っての権利を持つ可能性が大だからです。

 その後、ひみキンの代表者はBvexの代表と話をしました。結論として、Bvexは今後も「ひみ・ツキング」のCDを出し続ける。「ひみつキング」はライヴをするのは構わないし、CD等の音源を特定のファンに売るのはいいけれど、タワーレコードなどでの店頭売りはしないでほしい。また、ふたつのバンドを間違える人がいると困るので、ひみキンのサイトでインフォーメーションすること。Bvexのサイトでは、それは書かない。……ということでした。これ、あなたのバンドに、明日起きても不思議では無いことです。

2−2.寓話から現実への読み替え
 バンドを生贄にしたのは、私たちの立場と非常に似ているからです。あくまでも「楽しいから」やっているだけで、営利目的など考えようもありません。私たちNoah's Arkも同じです。基本的には機材作り集団で、「面白いから」やっています。両者とも、追求しているのは自己満足優先の自分たちの楽しみであり、リスナーや読者との一体感です。名誉欲や金銭欲は、現実として入り込む隙はありません。ですから簡単に言えば、どちらも度の過ぎた道楽ともいえます。
 ところが、たとえ道楽であっても、長年続けているうちに、ある程度の知名度を得てしまいます。知名度とは、他人からの期待感でもあります。ひみキンが新しいCDを出せば、ファンは「今度はどんな過激な音だろうか」と期待します。私たちが紙媒体でもネットででも製作記事を書けば、パーツを買いに電気街に行く人もいるでしょう。また仮に、Noah'a Arkブランドで製品を出せば、「また狂気のエフェクタを作ったか」と試奏に行かれる方も少なくはないでしょう。こういった期待感が、実は今回の問題の、一番大きな「困ったこと」なのです。(知名度がゼロなら、グループ名を変えれば済みます)

 一方、レーベルや楽器店(楽器メーカー)となると目的は第一に営利です。いえ、儲けることを否定しているのではありません。金がなければ食えませんから。営業は正しい行為です。そして自分たちの営業を守るために法律を味方に付けることも大切です。池部さんが商標登録したこと「自体」は、まったく当然の行為であり、誰にも非難される筋合いはありません。

 ブランドに対するスタンスというか、目的、視点の違いをはっきりさせるため、以上を書きました。

 2−1.で出てきた固有名詞等を、以下のように読み替えていただければ、実際の経緯とほぼ一致します。「ほぼ」というのは、煩雑さを避けるため、法律論などを省いているからです。

Amazon …… 池部楽器店のサイト
CD …… エフェクタ用のループセレクタ。その後、エフェクタ4種
ひみ・ツキング …… NoahSARK、またはNoahsARK (アポストロフィが無く、一語であることに注意)
Bvex …… 池部楽器店
11年 …… 31年(商標権利者が池部楽器店になったのは2004年1月。これは寓話と同じ)
森氷製菓 …… 美津濃(1971年に出願。74年に取得)
最後のパラグラフについては次項で書きます。

3.話し合いの内容
 2005年2月21日、午後4時30分から2時間、秋葉原の池部楽器店本店で話し合いを行ないました。出席者は池部社長、担当のK氏、先方の希望で”法律に詳しい”I氏、それに私(大塚)です。[以下、文中の*番号は4項にノートがあります]
 なお、事前に私たちNoah's Arkの沿革・活動内容について、K氏に長いメールでお知らせしておきました。K氏も社長も、きちんと読んでくださっていました。(普通は、忙しいからとかで、事前になど読んでくれません。感謝いたします)

3−1.法律論
 最初は法律論から始まりました。I氏が「商標権を持っている側がブランドを独占的に使う権利があり(*1)、現在、池部楽器が権利者であり、美津濃が権利を取得した1974年に遡って独占的な使用権がある(*2)。もしあなたが先行使用権を主張しても通らない。それでも使うなら違法である」旨を述べました。

 正直、ちょっと一方的過ぎるご意見です。商標法、特許法、さらに民法をどう読むかの解釈の問題でしょう。私は「そういう議論をされるなら弁護士を連れてきます(注:私のイトコは弁護士です)。あなたは弁護士ですか? それに”違法だ”というのはおかしな話です。違法か合法かを決めるのは司法でしょう」と返し、社長にI氏の退席を求めました。
 社長は「裁判などにしないために、この話合いがあるのだから、法律論はやめましょう。これからはI氏は発言しませんので同席してもいいですか?」とのこと。裁判にしないために、というのは私も基本的には同感です(*3)。また、どなたに聞かれても困ることはありませんから、I氏の同席も許容することにしました。

3−2.Noah's Arkという名称について
 楽器・エフェクタ業界は、”LM”=Light Musicと呼ばれますが、皮肉な人はLimited Marketの略だろう、などと言います。たしかに狭い業界であり、パイも小さいのです。しかし池部さんは販売業であり、私たちはハード設計・執筆業ですから、パイの両端にいたことは事実です。両者をつなぐ唯一のものはメディア=雑誌・ネットです。
 私たちがギターマガジン、キーボードマガジン、サウンド&レコーディングマガジンに執筆していた時期にも、池部さんはこれらの雑誌に広告を出されていました。そこで、「本当に私たちのNoah's Arkという名前を、雑誌記事からもご存じなかったのですか?」とお尋ねしました。社長、K氏とも「まったく知らなかった。今回の出来事で初めて知った」とのこと。社長は続けて「もし知っていたら、このブランドを使わなかった」とも申されました(*4)

 池部さんがNoah's Arkブランドを使い始めた経緯もお話しいただきました。最初はオリジナルのギターのブランドとして使い始められたそうです。当時は商標はあまり気にせずに使っていたところ、美津濃が「楽器、演奏補助具」の区分で登録していることがわかり、まず区分から外してもらって、権利の期限が切れた2004年に正式に譲渡された、とのことでした(*5)

3−3.何故「NoahSARK」なのか
 私にとって、直接的な一番の疑問がこれでした。せっかく美津濃から譲渡された「Noah's Ark」(登録上は「NOAH'S ARK および ノアスアーク」)という名称を使わずに、英語にならないNoahSARKを使うのか(*6)。これでは「ノアザーク」としか読めません。その点を質問しました。

 お答えは、残念ながら非常にあいまいでした。Noah's Arkでは宗教上の問題で米国では商標登録できないから、とのこと。たとえば慈善団体や社会奉仕団体であれば認可されるだろうが、エフェクタ類では認可されない、とも付け加えられました。これは黙っているはずのI氏からのお答えです。私は「それは嘘でしょ」と返しておきました(*7)
 私は社長に「貴社の機材を米国に輸出するのであれば、ますますNoahSARKでは意味が通じないでしょう」と申し上げ、社長は「輸出についても考えています」とのことでした。

3−4.池部機材の品質について
 対ユーザー(私たちの読者もユーザーだと思います)に関する事柄です。消費者=ユーザーは、支払った対価に見合った製品を受け取る、あるいはサービスを受ける権利があります。これは商標法の第1条にも、その精神が謳われています。
 これまで私たちNoah's Arkはエフェクタの世界で、かなりの数の回路・製作法を発表し、ハードに興味を持つユーザーには相応の知名度があります。また、ユーザーの製作技術力を考慮し、一部機材は完成品としても供給してまいりました。
 端的に申し上げて、池部さんの機材の完成度・アフターサービスが一般に市販されている製品(BOSS等)のレベルと同等以上であれば、たとえユーザーが私たちの機材と誤認して購入しても、ユーザーの期待は裏切られないでしょう。しかし残念ながら、現状において、それは不可能です。以下がその理由です。

3−4−1.エフェクトループ付きミニミキサ
 Noah's Arkメンバーの元に、プロミュージシャンから「何とかしてくれ」と持ち込まれた機材があります。すでにディスコンのようですが池部さんの機材で、エフェクトループが1系統あり、エフェクト音と原音を任意のレベルでミックスでき、エフェクトのオン/オフも可能。さらにトゥルーバイパスもできます。
 症状としては、エフェクト・オフでも音が回り込み、セレクタの用を成さないとのこと。実測してみると回り込みは相当なもので(池部さんの名誉のために、何dBかは書きません)、アマチュアレベルでも通用しないグレード。また、原音がカラリングされて少々ピーキーな感じになります。これもセレクタとしては失格です。
 信号を切りきれないのは電子スイッチの設計ミスかと思いつつケースを開けてみて、まさに驚愕でした。以下は主観ではなく技術論なのできっぱりと書かせていただきます。

A) スイッチはすべて機械式。9pのフットスイッチです。よほど不適当な結線(またはパターン)でもなければ、回り込みは起こり得ません。あるいは、パスコンが不足すれば電源インピーダンス(006P使用)によってVccが揺られることもありますけれど、それが予測できなければ「市販品」を作る技量とはいえず、プロエンジニア失格です。

B) 使用半導体は072が2個のみ。何故?と疑いたくなります。072の特徴はFET入力のハイインピーダンスであって、音は必ずカラリングされます。歪系などのエフェクタに使うなら、その機材の「味」ともなりますが、セレクタにはまったく向いていません。また、072は出力特性も安定とはいえず、リアクタンス負荷に対して弱い(時として発振する)欠点もあります。つまり、石のセレクトから間違っていると断ぜざるを得ません。楽器を直接入力するにしても、インピーダンス面では4558系統で充分です。どうして072なのか問いましたが、「わからない」とのことでした。なお、受動素子であるCRですが、どこにも1%精度抵抗やタンタルなどは使われていませんでした。すべてのパーツは秋葉原で安価に入手できる汎用品であったことを付け加えます。

C) この機材に限ってのことかもしれませんが、パターン面に複数のCRが直付けしてあり、一部のパターンが切ってあるなど、設計が簡単なオペアンプ回路では考えられない状態です。写真がありますが、池部さんの名誉のために、とりあえずは掲載しません。切り張りパターンと後付けCRを無視して回路を追ってみると、さらに奇妙なことがわかりました。072はデュアルですから、この機材は4個のオペアンプユニットでの構成です。内3個は非反転の単なるバッファ、残りの1個も非反転アンプなのです。どこでミックスするのでしょうか。ミキサーとして意味不明です。非反転でも信号加算できると思っていたのでしょう(教科書では、理論としては可能なことになっていますが・・)。でも、いくらやってもうまくミックスできないので、2個のバッファを反転アンプにして、1個でサミングするようにパターン変更し、CRを直付けにしています。もう回路設計以前の問題ですね。この機材を設計した人は、他のミキサの回路図から何も学んでおらず、過去に小さなミキサも作ったことが無く、正しいブロック図さえ描けないと思われます。
 あまりに初歩的な間違いなので、これ以上追求する気になりません(以前、専門学校で自作の授業を持っていました。授業開始から6ヵ月後には、こんな間抜けな間違いは誰もしませんでした)。もうひとつ、これは失礼ながら笑ってしまったことがあります。固定抵抗を付ける箇所に、定数を決められなかったのか半固定が付いています。回路を取っていないので推測でしかありませんが、これはエフェクタからのリターン信号レベルを決める箇所と思われます。いくら何でも付けっぱなしはないでしょう。半固定で調整し、抵抗値がわかったら固定抵抗に置き換えてから売るべきです。実験機ではなく売り物なのですから。

D) 基板をよく見ると、他機材との共用や流用ではなく、この機材専用の基板であることがわかります。基板の横の部分に機材名が書いてあるからです。さらにそこには「バージョン2」となっているのは信じ難いことです。これ以前にも失敗した基板があり、失敗の原因がわからないまま2枚目を作ったのでしょう。基板の製作費は決して安くはありません。私個人として、社長が気の毒になりました。

E) この機材で評価できる点は、筐体に1.6ミリの鉄板を使っていることです。耐久性もあり、立派なケースです。ただ、惜しいことにケースにも致命的な欠陥がありました。基板等すべてのパーツが付いている上蓋と、台になる下蓋の間に導通がありません。これは筐体設計のイロハに当たります。下蓋でのシールド効果が無いばかりか、仮に上下の蓋の間に電位差が生じた場合、どのようなノイズになるのか想像すらできません。通常、バネ状の板などで、蓋を閉めたときには筐体全部を導通状態にするのが常識中の常識です。あるいは上下の部材をアース母線でつなぐ方法もあります。

 私は、撮影してきた機材内部写真を見ていただきながら、社長とK氏に以上を説明いたしました。お二方とも、一度も嫌な顔をされずに話を聞いてくださいました。でも、言うべきことは言わなければならないので、ブランド問題と切り離しても、このグレードの機材を、金を取って売ってはいけない。ユーザーがプロでもアマチュアでも同じ。どなたが設計製作されたのか知らないが、この機材は一般メーカーでいえば「T1」のレベルだろう。また、他のメーカーでなら、こんな初歩的なミスを犯すエンジニアには仕事は与えられない。
 さらに、この機材は現に「回り込みが大きくて使えない」というクレームが、誤解したユーザーから私たちに来ているが、そちらでのサービス体制はどうなっているのか問うと、明確なお返事はありませんでした。つまり現状において、池部さんにはアフターサービスやリペアのシステムが、技術的な問題から皆無、ということだと解釈いたしました。
 この問題の最後に、私としてはNoah'a Arkにきわめて類似した名称を付けて、低レベルでサポートも確立していない商品を販売されては、こちらにとって非常に迷惑である旨をお伝えいたしました。

 窮鳥懐に入れば……みたいなもので、今「修理」依頼を受けている機材は、販売元には直せないと判断いたしましたので、こちらで全面的に改修するつもりでおります。外装パーツのみ再利用し、基板から起こす予定です。小沢氏、私、あるいは八木君の誰が担当しても、丸2日あれば問題の無い機材に作り変えられるでしょう。単なるセレクタとミキサですから。

3−4−2.電源ユニット”AC/DC-1”
 現在NoahSARKブランドで発売中のテーブルタップ付きDC9V、DC12V電源です。4口のテーブルタップの内部にアナログの安定化電源が組み込まれています。12Vは3個の出力端子、9Vは8個の出力端子で出ています。入手してはおりませんが、エフェクタ用としてどこまでの安全設計がなされているかをお訊きしました。

F) 電気用品安全法に基づく「PSE」マークが付いているかどうかをお訊きしました。このマークはAC100V機材にのみ適用され、本質的には自主申告なので、安全に自信があれば自由に付けられます。ただ現実には一種の「保険」をかける意味で、指定認証機関に審査を依頼するのが普通です。社長のお話では「とても大変だった。パーツの変更などがあり、お金もかかったし時間もかかった」とのこと。私としては、また社長が気の毒になりました。

 認証機関のエンジニアが見るのはAC100Vにつながるパーツのみです。プロトタイプと回路図を持って認証機関に行くと、検査担当エンジニアその人が対応してくれます。とても親切で、どのようなテストを行なうのか、関係するパーツはどれで、どんな性能が要求されるのか、すべて丁寧に教えてくれます。つまり、答えがわかっている答案用紙をくれるのと同じです。エンジニアの言っている意味さえ理解できれば、不都合そうなパーツを、求められる性能に見合ったパーツに変更して本申請すればいいだけです。審査は製造ラインの点検(主に測定器の有無)まで含みますので、込み具合によっては多少時間がかかります。でも、社長のおっしゃったような時間はかかりません。今回は、やり直しがあったため、費用も約1人月分程度は多くかかったようです。

G) この項を含む以下のHKには、明確なお答えはありませんでした。私の質問事項のみ書きます。
 AC周りで、エフェクタ特有のトラブルに対する安全対策は採られているのか。たとえばフューズは入っているのか。ノイズフィルタは、どのように入っているのか。K氏によればフィルタは入っているが詳細はわからない、とのことでした。
 この製品の目的は、エフェクタケースの隅に入れて、全エフェクタの電源を賄うことです。たかが電源、されど電源で、簡単そうに見えて、実はかなり気を遣わなければならない機材です。
 現在、エフェクタの多くはデジタル回路であり、いわゆるACアダプタもスイッチング方式が主です。どちらも多少の差はあってもいわゆるデジタルノイズを発します。テーブルタップ部分に差されるのは、まずスイッチング方式のACアダプタでしょう。ここからノイズが逆流すると様々なトラブルが起こり得ます。たとえば、同一筐体内にあるアナログ安定化電源に紛れ込めば、DC出力のすべてに高周波ノイズが乗ることになります。果たしてそこまで考えた設計をされているのでしょうか。かなり疑問です。

H) 電源トランスについての疑問です。広告では「大容量1Aのトランス」を使っているそうです。この表記自体、主観的なものでしかありません。1Aのトランスなど、ごく普通の製品で、ウチにもゴロゴロ転がっています。電気街で買っても、複巻線で1000円くらいでしょう。
 通常、トランス2次側の電流値は「AC出力」を表わします。トランスを特注すれば「整流後のDC電流値」での表示も可能ですが、その可能性は低いと思われます。
 通常の1Aトランスから取り出せる最大DC電流は約700mAです。これは初心者にとって「罠」であり、理由を理解できない人は、少なくとも「市販品」の設計に関わってはいけません。最大電流出力時の安全に関わるからです。なお、F) で述べたPSE認証は、トランスの2次側以降には及びません。

 ところが池部さんの広告によりますと、DC出力は9Vで1000mA、12Vで1000mAと読めます。もちろんこれは9Vと12Vの電流の合計が1000mAであることを意味するのだと思いますが、電気に弱いミュージシャンにわかるでしょうか。さらに、本当に9Vで1000mA取れるのでしょうか……取れるなら、トランス2次側の出力は、少なくともAC1.4Aでなければなりません。安全性をもたせたいなら2Aトランスを使うべきでしょう。

 設計・製作者は、この電源の負荷特性を測っているのでしょうか。測っていれば、正常に働くのは出力700mAまでで、それ以上電流を取り出すと、トランスの発熱、リプルの増大、あるいは電圧の低下がわかったはずです。1000mAは夢のような話です。ダミーロードなどお持ちでないと愚考いたします。

I) 1Aの電源トランスと使っているとなると、当然ながらアナログの定電圧回路が入っているはずです。推測すれば、三端子レギュレータの7809と7812ではないかと思います。あるいはディスクリのドロッパタイプかもしれませんが。いずれにしても、これらの素子は「放熱が命」です。
 78シリーズの定格は「出力1A」ですが、これは無限大に近い放熱板を付けた場合のこと。放熱板無し、あるいは小型放熱フィンだけだと、とても連続して1000mAや700mAは出力できません。さて、放熱設計は適切でしょうか。見た限りでは放熱穴もありませんし、ケース全部を放熱板として使っても、かなり温かくなり、面積的に間に合わないように思え、安全に動作させるのは無理なような気がします。ディスクリのドロッパでも事情はまったく同じです。
 この電源、真夏の屋外でも使えるのでしょうか。温度試験はされていますか。せめて環境温度40度までは動かないと困ります。

 最近のデジタルエフェクタの中には大電流を消費するものも少なくありません。8個ある9V出力に8台のエフェクタをつないだ場合、どんな現象が起きるのか、まさに運次第です。ミュージシャンは消費電流の計算などしません。
 仮に、安定化回路の放熱設計が完全に正しく(ありえません)ても、消費電流の増大にしたがって出力電圧が下がり、リプル成分が増えて、音にハムノイズが入るようになります。放熱設計が正しくなければ、レギュレータの温度が上昇し、ある時点で保護回路が働いて出力はシャットダウンします。いきなり音が出なくなるわけです。時間がたってレギュレータの温度が下がると自動復帰しますので、ミュージシャンにとっては「謎の故障」になります。
 さらに仮に、温度上昇によっても保護回路が働かなかった場合には、素子が熱暴走を起こし、レギュレータがスルー状態になり、整流ダイオード直後の電圧がエフェクタに送られます。これは、運が悪ければエフェクタ全部の破壊につながります。

 自作で、自分が使う電源ならともかく、製品として販売する電源には「常識的ノウハウ」の蓄積が必要です。1Aのトランスを使って「出力1000mA」などと書く人に、常識を求める方が無理なのかもしれません。そして、困るのはユーザーです。

☆ちょっと休憩☆

 これから述べる話は、どの時点で社長に申し上げたか忘れましたので、ここで書きます。

 機材製作には大別して3つの段階(?)があると考えます。最初は、自分のために作る機材。これは目的の用途が達成できればいいので、見栄えはどうでもよく、回路面でも(他からのコピーなど)完全に自由、パーツはディスコンのものも使えますし、あくまで自己責任なので定格ギリギリでも構いません。ただし他人には譲れません。
 次は製作記事など、他人に発表する機材。コピー製作する人のために設計・パーツ選定しなければなりませんし、何よりも再現性(同じに作ったら必ず同じに動く)を最優先するため、基板設計などで難易度を上げてはいけない。外装・内装の見栄えもある程度重視します。
 最後に量産機材。まず安全であること。考えられるリスクをすべて事前に回避しなければならない。ユーザーに、こちらのコンセプトを明快に示せる製品でなければならない。斬新な設計はよいが自分勝手な定格を超えるような設計は許されません。他の回路からの流用も慎むべきです。設計の最初から、生産工程までを意識しつつすべての設計・パーツ選択を行なわないと後で問題が続出します。

 つまり、エフェクタ製作といっても、アマチュアの工作と量産とでは質的に別物なのです。だから、たまたま、この話での第1段階の人がいて、そのエフェクタが良い音であっても、即量産にはかかれません。無謀にも量産してしまうパターンは多くのヴェンチャー企業に見られます。アウトソーシングと称し、社内に専門家を置かないままプロジェクトを始め、結局は破滅しています。エフェクタは、その完成品を見ると、構造は比較的簡単であり、一番高いパーツはケースという代物ですから、多くの事業者は「ぼろ儲けだ」と思うでしょう。しかし実際はそうではない。すべての「モノづくり」同様、人件費の比重がとても大きいのです。今、良くも悪くもローランド(BOSS)がトップなのは、それなりのエンジニアを抱えているからだと思います。

 私自身はこれまで、いくつかの製品開発を手伝わせてもらい、金のかかり方にもビックリしましたし、非常に多くの専門家が関わらないと製品は完成しないことを知っています。
 自社ブランドを立ち上げるなら、せめて一人、社内にトータルコーディネートできる人間=設計から生産ラインまでの概略を知っている人間がいなければならないのです。お見受けしたところK氏がご担当のようですが、失礼ながらエンジニアですらない。つまり技術面での責任者不在で機材を作っていらっしゃる。まさにおせっかいですが、このような「モノづくり」はユーザーに対して無責任だと思います。そういった機材にNoah's Arkと類似の商標を付けられるのは、とても迷惑です。
 という意味のことを、私のこれまでの仕事歴を交えてお話しました。

J) AC/DC-1の安全性について(DC出力周り)
 とてもシンプルな懸念です。8個ある9V出力端子、3個ある12V出力端子のそれぞれに、逆流防止のダイオードは入っているか、ということです。端子間をただパラってあるだけなら非常に危険といえます。ダイオードの有無は、K氏も社長もご存じないとのこと。
 簡単な話、ダイオードが無い状態で、12Vと9Vの端子をつないだらどうなるでしょう。高校生ならやりかねません。内部の電圧配分、正しくは9Vレギュレータの入力電圧にもよりますが、まず壊れることはないかもしれません(といって安全ではありません)。しかし、他の9V出力がすべて12Vになってしまうことにユーザーは気付かないと思われます。

 逆極性のACアダプタプラグをこれらの出力につないだ場合、考えるまでもなく致命的に危険な状態になります。多分大電流が流れ、レギュレータの破壊につながるでしょう。同時に、発熱、発火があっても不思議ではありません。

K) 構成部材間の導通
 3−4−1のEで指摘した筐体部材の導通です。電源にはシールドが必須なのは常識です。AC100Vはフローティングさせるしか方法はありませんが、電源トランスからの漏洩磁束は出来る限り少なくしなければなりません。ケースを構成する部材間で、どのような導通対策を採られているのか知りたいところです。

 以上、AC/DC-1についての疑問点でした。これは決してナンクセを付けているのではなく、やり込める意思はなく、意地悪でもありません。私たちの考え方を池部さんに知っていただくために、あえてお話しました。通常、これだけのインストラクションを行なうと(年に数回はやっています)有料なのですが、今回は私からの押しかけであり、また貴重なお時間をおさきいただいたため、もちろん無償です。

3−5.エフェクタの広告について
 これまで、私は多くのプレスリリースや販売店資料、ユーザー向けの取説やチラシ類を書いてきました(契約によって、どのメーカーとは言えません)。こちらが良かれと思って書いた文章も、時として広告代理店の無知蒙昧の輩によって別の文章に書き換えられ、意味が逆になることもありました。パンフレットの文章を一言半句も変えずに使ってくれたのはTBSと某1社だけです。ですから広告コピーが、半ば出鱈目であっても仕方ないことは知っています。

 それにしても池部さんのNoahSARKエフェクタシリーズの広告は、あまりにもヒドいものでした。ブランド問題が無くても、私はブログで叩いたでしょう。話し合いの当日はあまり時間が無く、詳しくは説明できませんでしたので、この項ではお話ししなかった分も含めて書かせていただきます。

 まず、これは今は直っていますが、金属皮膜抵抗の写真に「Metalized Film Condencer」と書いてありました。エフェクタメーカーとしては、ちょっとした間違いでは済まされないことです。なお、英語で書く場合はCondencerではなくCapacitorであることも付け加えます。
 写真のフットスイッチ(9p)は台湾製の安価品です。これは日本発売前に、私自身が台北の電脳街で入手しており、高級品ではありませんが性能的にはまずまずです。でもミヤマより劣りますので、堂々と出すのはいかがなものでしょうか。
 これを読まれている方は、http://www.e-imi.jp/noahsark-breaker/index.htmlが池部さんのエフェクタのカタログページですので、とりあえず一通りお読みください。

 今(2005年3月4日)でもまだ本質的にヘンなことが多すぎます。以下列挙します。イタリック部分は引用です。「回路には貴重なHarmetic Tantalum Condenserや、許容誤差を1%にまで抑えた非常に精度、質が高いMetallized Film Condenser等を使用しています。」:タンタルはたしかに古いタイプのものです。しかし貴重ではなく現行品です。でもエフェクタのどこにタンタルを使う必然性があるのでしょうか。タンタルの特長は温度変化に対する容量の安定性だけ。超安定度が求められる測定器・医療機器に使われるならわかりますが、エフェクタでは豚に真珠と断言いたします。さらにタンタルは、一定以上の逆電圧がかかるとショート側に壊れる困った性質も持っています。少なくとも私たちは、誰が使うかわからないエフェクタにタンタルは入れません。怖くてできない、と言い直しても構いません。

入力信号経路には全てMetallized Film Condenserを使用する事で、抜群の周波数特性を確保しました。」:これが1%メタライズの使われ方だとしたら、ちょっと待ってください、です。入力部分のf特はCにのみ依存するものではありません。楽器の出力インピーダンス、ケーブルのインピーダンス等、様々なインピーダンスも周波数特性を左右する要素です。Cの精度を上げても、他の要素が不定のシステムでは周波数特性が良くなることは絶対にありません。
 特にエフェクタは音色を変える=f特を変える機材です。入力部分ばかりか、どこに使っても無意味です。それに大体、非常に高価な1%コンデンサなど、量産機に本当に使えるのでしょうか。入力のカップリングは20%誤差のマイラ(フィルム)で充分です。f=1/(2πCR)を知りませんか?

 いずれにしても、こういうエセ高級(貴重)パーツ指向は困ったものです。百害あって一利(一理)もありません。まだ続きます。
徹底的なノイズ対策の為、安価なカーボン抵抗を使用せず、ノイズ係数、温度係数に優れた金属皮膜抵抗を採用。JRC4580D、JRC4558DD、Harmetic Tantalum Condenser等、高級といわれるパーツを惜しみなく使用しています。」:これまた電子工学の基礎の大誤解です。安価な5%カーボン抵抗でも、少し高価な1%金属皮膜抵抗でも、発する雑音は同じなのです。これは熱雑音(ジョンソン雑音)と呼ばれ、雑音の(可聴帯域での)エネルギーは抵抗値と温度によって決まります。素材は無関係。ノイズ対策のために金皮を使うのは「伝説」を信じるオーディオマニアから始まった話で、何の根拠もありません。カーボンで充分なのです。
 オペアンプICのJRC4580D、同4558DDは、現在1個20円で入手可能(100個単位)の汎用ICです。高級品とはいわれません。K氏へ、いくらご存じないとはいえ、こんな嘘を書いてはいけないのではないでしょうか。

サウンドにも影響を及ぼすシャーシには、高い耐久性を持つアルミニウム削り出しの本格筐体を使用。」:ホントですか。アルミのムク材から削り出した場合、ケースだけで5000円はかかります。中国で加工しても15USDにはなります。私自身が中国大陸の工場で見積りを取ったのですから確かです。事実とすれば、ケースだけでも(塗装も中身も無くても)売値は1万円になるでしょう。私たちは「削り出し」に関してはほとんど嘘だと思っています。振動を嫌う高級オーディオ機材等ならともかく、蹴飛ばして使うエフェクタに、高価な削り出しケースを使う意味はどこにあるのでしょうか。アルミダイキャストでも何の支障もないと思いますけれど。ま、1台買って、中を見れば一目でわかることです。

 これは「デザインです」と言われれば終わってしまうことですが、せっかくのアルミ削り出しケースを使いながら、入出力ジャックとDCジャックが突出しているのは、いかにも素人臭く、みっともない印象です。この点もうかがってみました。お答えは次項に書きます。

 まだまだ細かいことを言えばいくらでもあります。それ以前に、間違いや嘘はともかく、この広告コピー自体、誰にとっても意味を持たないものだと考えます。わかっている人には失笑を買うだけですし、わからない人には「高級なパーツを使ってるんだ」程度にしか受け取られません。よくある「S/N比が0.3dB向上!(当社比)」の類と同じです。やはり技術を持った人が作り、知識を持った人がコピーを書くべきだと痛感しました。

3−6.池部さんのお答え
 訊きにくいこと、失礼なこと、おせっかいなことなどをかなりお訊きしましたが、社長もK氏も終始温和にお聴きくださいました。お礼を申し上げます。I氏は頻繁にメモを取られていたようです。

 本来なら技術的な話には担当エンジニアの方にお答えいただきたかったのですが、そのような方は社内にはいらっしゃらないため、私の一方的なレクチャーになってしまった面もあります。これも興味をもって聴いていただきました。
 社長の、オリジナル機材についての基本的なお考えは(録音していたわけではないので、私なりに解釈した言葉です)「プロや高度なアマチュアはターゲットと考えていない。初心者、いわば<バンドやろうぜ>の層に向けて製品作りをしている。だから高級エフェクタではないかもしれない(*8)。試作品を鳴らしてみて、それでいいと判断すれば製品化している。ご指摘のジャックが突出していることは、他社製品はともかく、うちの製品の特徴と捉えていただいて構わない。今後も製品数を増やす予定だが、開発や量産体制については、あなたの考えとは相当隔たりがあると思う。ただ、協力できる部分があれば一緒にやってゆくこともあり得る。たとえば、あなたが設計したエフェクタを発売すれば、何の問題もなくNoah's Arkと表示できる」。
 これはお言葉の主旨だけですので、間違っていたらご指摘ください。

 そこで、今すぐにでもできる協力として、既発売機種の回路図を見せてください、とお願いしました。もちろん秘密厳守で。不都合な点や合理化できる箇所を指摘できると思ったからです。しかしK氏に「企業秘密」の理由で断られました(当然と思いますが、現物さえ手に入れば2時間以内に回路は取れます。日本では回路に著作権は認められません)。
 なお、この申し出は好奇心やダメ出しのためではなく、純粋にエンジニア心からのものです。私が「只働き」が大好きなのは、皆様ご存知の通り。

 一番の懸案、ブランド問題について社長は「これまでのようなご活動(執筆、特定少数者への販売等)なら、Noah's Arkの名前を使い続けていただいて構いません(*9)。しかし、同じ名称であることはユーザーが混乱しますから、そちらのホームページで、池部とは違うことをアピールしてください」。さらに続けて「ひとつ約束していただきたいのは、Noah's Arkブランドで量産し、店頭販売はしないということです」(*10)
 前半に関しては私も同意見なので、珍品堂サイトでアピールを出し続けることを約束しました。後半については「今のところ量産の予定はないので、店頭販売はいたしません。ただ、そのような事態が起きそうな場合にはご相談をお願いします。私としては、池部さんに生産体制を作り直していただき、一緒に良い物を作りたいと思っています」と申し上げました。
 そして、要望として「そちらのホームページでも、私たちとは無関係の旨の表示をしていただけませんか」とお願いしたところ、これは拒否されました(*11)。そこで、「店員教育を徹底して、私たちのものとは違う旨、購買者に知らせてほしい」とお願いしたところ、「教育は徹底します。しかしお客さんに訊かれたら答えるようにします」と、かなり温度差のあるお答えでした。

 2時間におよぶ話し合いでした。私自身、正直なところ、何かひっかかるものがあるにせよ、一応は軟着陸だと感じました。この結果は池部社長のお人柄に負うところが大きいとも思います。私みたいに喧嘩っぱやいのはダメだなあ、ほんとに。。

4.Noah's Ark内での話し合い
 その後、この内容をNoah's Arkメンバーと、私たちの本をいつも作ってくれる「準メンバー」とも呼ぶべき人々と話し合いました(実際のところは、誰が正式メンバーなのかなど決めていません)。仕事の関係で一堂に会すことは不可能でしたので、私が個別に話した人もいます。事前にメンバーからはゲタを預けられていましたから、池部さんとの話し合いの結果は大前提として了承してくれましたが、それでも疑問点や更に要請すべき事柄も出てきました。上記の「*番号」に関して書きます。お読みになる際は、ブラウザを二重立ち上げして、該当部分と比べながら読むと楽かと思います。

*1:商標権を持っている側がブランドを独占的に使う権利がある
 法律の文面では「使うことができる」であって、これを「絶対的権利」と言い切るのは特許法のトレンドからいっても無理な解釈と考えます。現に、法には第三者使用の文言もあります。

*2:美津濃が権利を取得した1974年に遡って独占的な使用権が(池部には)ある
 これは私たちの先行使用権を封じるための主張です。この論でいけば、1974年から池部さんは「Noah's Ark」の商標を持っていたことになります。すると2005年に私たちに通知するまでの30年間以上にわたり看過してきたことになります。これほど長期間の看過は使用権の黙認(あるいは許可)と等しくなりませんか? ヤブヘビでしょう。

*3:裁判にしないために、というのは私も基本的には同感です
 経験者として、たとえ原告の立場であっても裁判はうっとうしく気分が悪いだけです。掲示板の書き込みなどで、軽々しく「訴える」云々とありますが、それは裁判をしたことのない人の言い草です。財力と時間がなければ、特に民事の場合、裁判などできません。池部社長も同じお考えだと推測いたします。ただし、致し方なく司法の手を借りなければならない場合には霞ヶ関にお付き合いする用意はございます。まあ、お付き合いするなら万世のステーキの方が好みですが。

*4:「まったく知らなかった。今回の出来事で初めて知った」「もし知っていたら、このブランドを使わなかった」
 あれだけ雑誌に出ていたのだし、同じ雑誌に広告出稿もしていたのだから知らなかったわけないだろ!と一方的に言うのは簡単です。ただ、これも私の経験からですが、広告クライアントは雑誌の発行部数と自社の広告、競合各社の広告にしか興味は無いのです。記事本文など読んでくれません。大会社ですと出稿した雑誌を隅から隅まで読む担当もいますが、それはごく一部です。
 あるいは、楽器売り場のバイトさん達はNoah's Arkを知っていたかもしれませんけれど、ブランド名を決めるにあたって、会社首脳はバイト君にまで意見は訊かないでしょう。とはいえ、*6、*7と絡めると一抹の疑問は残ります。

*5:美津濃が「楽器、演奏補助具」の区分で登録していることがわかり、
    まず区分から外してもらって、権利の期限が切れた2004年に正式に譲渡

 法律論からいえば、これはかなり大きな要素だと思います。
 商標登録は「区分・役務」が異なるとまったく無効です。たとえば「いろは屋」という和菓子屋が、お菓子屋の区分で登録してあっても、墓石屋が同じ「いろは屋」を石材屋として使っても問題はありませんし登録もできます。
 美津濃がNoah's Arkという商標を「楽器・演奏補助具」の区分から外した時点で、エフェクタのブランドとしてのNoah's Arkは登録者無しになっていたはずです。その期間が1日なのか10年なのかは問題ではありません。経緯も関係ありません。あくまでも「登録」の問題です。
 池部さんが美津濃から商標を譲渡された際、詳しくはわかりませんが「更新」に準じる手続きで行なわれたと考えます。というのは公示期間が無いからです。しかし実際には、「区分・役務」が美津濃時代(楽器・演奏補助具は含まない)とはまったく変わっていますので、内容的には新規登録と同様という解釈もできます。私たちの先行使用権と、どちらが強いのかは不明ですけれど。
 近々関係法の改正があります。新法になると、先行使用権が圧倒的に強くなります。

*6:何故Noah's Arkという名称を使わずに、英語にならないNoahSARKを使うのか
*7:Noah's Arkでは宗教上の問題で米国では商標登録できない

 池部さんの機材には、NoahSARKまたはNoahsARKと記されています。せっかく取得した正式名称を、どうしてお使いにならないのでしょうか。現在の表記は類似商号にしか当たりません。「宗教上の問題」はI氏の言い逃れでしょう。現在、池部さんの機材は日本国内でしか売られていませんから。
 念のためキリスト教関係の人(日本人の司祭)に訊きましたが、Noah's Arkという機材を見ても、一瞬「おや?」と思うだけで怒りや嫌悪感は感じず、かえって「面白いな」と思うそうです。したがって、少なくとも日本国内では、Noah's Arkでもまったく問題はないはずです。
 故意に勘ぐれば、スタッフのどなたかが私たちの存在を知っていて、係争に備えての対策とも受け取れます。
 仮に、米国ではNoah's Arkが「宗教上の理由」で登録できないのであれば、NoahSARKもNoahsARKもダメでしょう。しかし、私のオリジナル回路を掲載している米国サイトでは、コピーライトNoah's Arkとなっていて、誰からも文句は出ていません。
 ただ、アポストロフィの有無、1ワードか2ワードかで池部さんと私たちを判別できることは、ユーザーにとって便利であることは確かです。できれば現在の表記を続けていただければありがたいと思います。

 ここまでは法律関係中心の話です。一種の馬鹿らしさを感じましたが、今後の展開で「よもや」の可能性もありますし、メンバーの意見として書かせていただきました。

*8:初心者、いわば<バンドやろうぜ>の層に向けて製品作りをしている。
    だから高級エフェクタではないかもしれない

 この認識は明確に間違いです。社長は、たとえばギターとエフェクタを同列にお考えなのではないでしょうか。初心者や私のようにギターを弾けない人間に数十万円の高級ギターを与えても意味はありません。通販の9800円でも同じです。
 一方エフェクタは楽器であると同時に電子機器でもあります。高級も初心者向けも区別はありません。回路が簡単でも、設計エンジニアの腕で「名機」になります。現にファズフェイスはトランジスタ2個ですし、エレハモのヒット作の中にはトランジスタ1個の製品もあります。電気知識と製作経験に裏付けられた電気音響エンジニアとしての発想・ノウハウが勝負なのです。
 高級パーツ・レアパーツを使えば性能・機能が上がるものでは絶対にないことも断言しておきます。
 しかし別の面から言えば、エフェクタは「結果オーライ」でもあります。プレイヤーがその音を気に入れば「OK」なのです。いったん市場に出したら誰が買うかわかりません。
 ここで問題になるのが信頼性・耐久性・安全性です。電気的には回路・パーツの適正性、楽器としてはトータルな安全性が求められます。これは価格には関係なく、2000円で売ろうが20万円であろうが根本は同じです。まして、価格設定の面から初心者をメインターゲットにしているなら、なおさら留意しなければならないでしょう。取説にいくら「注意書き」を付けても、彼らは予想もしない使い方・壊し方をしてくれます。
 ですから、初心者用であればあるほど、フェイルセーフ発想が求められます。初心者に与えるなら、より確実な設計でなければなりません。私がジャック部分の突出を気にしたのは、安物に見えることもありますが、それ以上に安全性の観点からです。ねじ山で指を切る人だっています。

 以上の文章、悪意あってのものではありません。どうかエフェクタや周辺機材について、的確なご認識を持たれるようお願いします。必要であれば、さらにご説明にうかがいます。

*9:Noah's Arkの名前を使い続けていただいて構いません
 法律論からすれば非常に寛容なお申し出であり、感謝すべきことかもしれません。しかし当然の話とも思えます。この名称を、私は37年間使い続けています。これからも使い続けたい意向を非常に強く持っています。
 私たちの使用をやめさせるには、司法的手段、使用差し止めの請求や仮処分申請を行なわなければならないでしょう。そういった法的手続きの執行を社長は否定しておられます。(法律を誤解している方で、いろいろ言われる方も多いので、ひとつハッキリさせておくと、たとえば刑法・刑事訴訟法でも「人を殺してはいけない」とは書かれていません。「殺したらこうなるよ」と規定されているだけです)
 仮に、本当に仮に、池部さんが法的措置を取られた場合、私たちも法的に対応せざるを得ません。善事門を出ず悪事千里を走ると申しますが、こういった紛争はネット野次馬にすぐ知れ渡り、池部さん、私たち双方のイメージダウンにはなっても、決して宣伝にはならないでしょう。

*10:約束していただきたいのは、Noah's Arkブランドで量産し、店頭販売はしないということ
 メンバー内で一番の争点はこれでした。私たちの行動を縛るものであり、これまで蓄積してきたブランドの信用度を使うなということでもあるからです。80年代に一度だけ店頭販売を行ない、その後はまったくしておりませんが、これまでにいくつかの企業から量産化についての打診がありました。そのすべてをお断りしてきたのは主に初期投資額の認識に差異があったからです。
 店頭販売は絶対にしないということになると、今後、新たなお話があった場合、Noah's Arkブランドでの販売計画作成すら不可能になります。
 商標権をお持ちなのは池部さんです。しかしエフェクタに(多分)最初にNoah's Arkのロゴを入れたのは私たちです。法律と道義の兼ね合いのような気がいたします。全面禁止ではなく、何か一定のルールが必要でしょう。

*11:池部さんのサイトでは注意書きを出さない件
  私自身、これには話し合いの時から納得していません。ユーザー保護の立場から、誤解を少しでも減らすべく、私たちのサイトでは「注意」を促がし続けます。同じく消費者保護を掲げる池部さんが消費者対策として「訊かれたら答える」という消極的対応しかなさらないのは、まったく理解に苦しむところです。池部さんのNoahSARKのサイトにも、誤解を避けるための明瞭な文章を掲載していただきたく、ここに要請いたします。
 

《私の私的感想》
 楽器用小型エフェクタは、蓋を開けてみると実にあっけないものが大多数です。基板上パーツの合計価格は、いいところ500円(パーツ屋の小売価格。以下同)、外装パーツもケース込みで1000円程度。各種工賃がかかったところで原価は3000円以下。量産すればさらに安くなります。なのに売値は2万円! 小売店に仕切り50%で卸しても大儲け、のように見えます。
 実際、このような試算で、私に「量産しませんか」と言ってきたヴェンチャー企業もありました。悪気は無いのでしょうけれど、予算額を聞いて少々ムッとしました。どこに技術料が入っている? 誰が生産管理する? サービス体制は?

 エフェクタは、そんなにオイシイ商売ではないのです。極端に言えば人件費の塊みたいなものです。昔、某社がエフェクタ分野で元気だったころ、開発エンジニアにいろいろと聞きました。まず1台のエフェクタを量産試作品まで仕上げるのに3ヶ月かかるそうです。エンジニアは5,6人いて、半年で10台以上の試作品ができます。それをまず内部審査にかけ、いくつかはボツにされてしまいます。合格した機材はワークテストとプロミュージシャンによるモニターテストに出され、同時に社内の品質管理部門で徹底チェックを受けて、全部に合格した数台が製品化されるとのことでした。ざっと計算しても、開発エンジニアだけでも社内人件費が、1台あたり5,6人月かかっているのがおわかりと思います。テストを依頼するミュージシャンも、国内だけでなく世界中から呼んでいましたので、その金額も無視できません。
 開発時だけで、これだけの大金がかかるのです。もちろんこれは大企業の方法なので、もっとスリム化できるとは思いますけれど、商品として売るからにはスリム化にも限度があります。
 さらに固定費としてサービス部門も必要です。リペアエンジニアを常時待機させておく必要があります。これも製造原価に跳ね返ります。こうなると製品のパーツ代など、全経費のほんの数%に満たない金額になります。

 率直に言って、池部さんのオリジナルエフェクタ作りは異業種からの参入です。異業種から新規分野に展開する際、普通は専門エンジニアをヘッドハンティングするなりして、技術的な土台を固めることから始めます。
 たとえば、マイクの生産では世界のトップ3に入る企業でも、昔(もう時効の話しか書けないので、ごめんなさい)ワイアレスマイクを始めたときには、1年前から高周波専門のエンジニアを複数人抜いてきて、新たなプロジェクトとして動き出しました。それでも試作1号機の時点では、私にでも指摘できる致命的(最後は燃える)バグがいくつかあったものです(臨時相談役として参加していましたので)。
 ところが、社内にチェックエンジニアさえいない状態では、どのように製品評価ができるのでしょうか。販売する商品の技術的裏付けは、何を根拠になされるのでしょうか。私と小沢氏とでさえ、商品化する機材、製作記事の機材については入念なクロスチェックを必ず行なっています。消費者の安全のためにも、ぜひとも全体を見渡せるエンジニアを確保されるよう、切に望みます。これはブランド問題とは直接関係ありませんが、敢えて苦言を呈させていただきました。

2005年3月6日 Noah's Ark 大塚 明

《お読みの皆様へ》 この件に関しまして、私たち及び池部楽器店様へのご意見・ご質問等には、必ずご本名、ご住所、お電話番号を明記してくださいますようお願いいたします。匿名でのメール等、単なる野次、議論のための議論と判断できるものにつきましては、完全に無視させていただきますのでご了承ください。特に池部様は客商売ですので、あまり困らせるようなメール等はご自制願いたく存知ます。


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